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2013年03月10日

箱猫







私「先生、『箱男』お読みになりましたか」

先生「阿部公房は全部読んだ」

私「先生ご自身、箱に入るのお好きですか」

先生「昔、レンゴーに勤めていた筒井康隆の弟がお中元とお歳暮に必ずダンボール箱を送ってきてくれていたので、よく箱に入っていた」

私「なかなか実用的な贈り物ですね。箱の中の猫というとですね、どうしても頭に浮かぶのが例の箱の中に入ったシュレーディンガー猫が青酸ガスを浴びて死んでいる確率と生きて出てくる確率の問題なのですが。生きている確率が50%、死んでいる確率が50%と言われていますけれども、これは違うのではないかと」

先生「ぜんぜん違う」

私「確率の問題について、私はこの2年ほどずっと頭を悩ませているわけですが、確率学というのは、あれはどう考えても変ですよね」

先生「確率学は悪趣味としか言いようがない」

私「私の実感でいきますとですね、箱の中の猫が箱を開けたときに生きている確率は100%、死んでいる確率も100%だと思うんですよ。“生きている”“死んでいる”と選択肢が2つあるから単純に確率が50%ずつになるというのはちょっとおかしいと思うんですね」

先生「箱を開ける奴の生死の確率も勘定に入れていない」

私「確率に限らず、学問全体が一般庶民を騙すためのまやかしみたいなところ、ありますよね」

先生「学問はすべてまやかしだ」

私「ニュートンなんかも言ってることとやってることと違う感じしますね」

先生「あいつは人を喰っている」

私「・・・先生とニュートン、ご親戚だという噂もあるみたいですが。・・・あっ先生! 先生! どちらにいらっしゃったんですか? せんせいぃぃぃぃ(先生、空に消える)」



きっかり10秒後、先生が50個ほどの笹もちをかついで隣家の草むらから現れる。










  


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